ギャルリー東京ユマニテbisの川野昌通個展「鉄―徴表」を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで川野昌通個展「鉄―徴表」が開かれている。川野は1995年、大阪府豊中市生まれ。2018年に大阪芸術大学芸術学部工芸学科金属工芸専攻を卒業し、今年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科彫刻専攻を修了予定。今回が初個展となるが、昨年銀座のガルリSOLのグループ展に出品していて見た記憶がある。当時も良い作家だと思った。
 今回の個展タイトル「徴表」について、川野が書いている。

徴表、それはある事物を他の事物から区別するしるしになる特定の性質。
鉄が引き起こす現象を通して、人の知覚に働きかける。

f:id:mmpolo:20200120222139j:plain

f:id:mmpolo:20200120222215j:plain

f:id:mmpolo:20200120222230j:plain

 ギャラリーの入口にマケットのような小品が置かれていて、それを見ると大きな作品の構造が分かる。薄い鉄板の中央に言わば菊花状に切れ目を入れ、鋭角の花弁状のものを下に押し曲げる。鉄板の四隅を鉄棒でつなぐ。という構造になっている。花弁状の部分が上から下まで連続していて、それが透けているので、あたかも虚の心柱のようにも見える。その面白さがある。
 ギャルリー東京ユマニテbisは天井が高いのでここを選んだという。単純な形に見えながら複雑な構造をしていそうだと思わせる優れた造形だ。
     ・
川野昌通個展「鉄―徴表」
2020年1月14日(火)―1月25日(土)
10:30-18:30(最終日17:00まで)日曜休廊
     ・
ギャルリー東京ユマニテbis
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F
電話03-3562-1305
https://g-tokyohumanite.com