A-thingsで岡崎乾二郎展を見る

 東京吉祥寺のA-things岡崎乾二郎展が開かれている(2月19日まで)。個展のタイトルが「”Things” never die. It only changes its form.」となっている。画廊のスタッフに話を聞くと、19日いっぱいで画廊を閉じ、どこでいつ再開するかは未定とのこと。タイトルによれば、またどこかで再開はするのだろうが。
 岡崎は1955年、東京都出身。多摩美術大学彫刻科中退、Bゼミスクール修了。造形作家、批評家。


 今回大きなタブローが3点と奥の部屋にドローイングが多数展示されている。画廊内の撮影が禁止されていて、ここに挙げた画像は入り口のガラス戸の外から撮影した。
 いつも通りの大きな筆触のさまざまな色塊をキャンバスの上に置いている。少しだけリ・ウーファンの筆触を思い出す。岡崎は、しばしば2枚のタブローを並置した作品では、「合同」の形態=左右の画面にコピーのように同一の形を置き、しかしそれらの色彩を変えている。つまり極めて知的な操作のもとに作られていることが多い。だから、この画面でも感覚的に造形しているのではなく、何らかの法則性のもとに制作しているのではないか。その法則がわからないけれど。
 以前私が勤めた会社で後輩に岡崎の従兄弟がいた。それで彼に勧められて「あかさかみつけ」のような立体を発表していたときに個展を見にいったことがあった。その後も渋谷のゆーじん画廊や京橋の南天子画廊の個展を見てきた。いつも岡崎の作品は分からなかった。ゆーじん画廊のオーナーに、岡崎の「あかさかみつけ」シリーズはステラの影響があるんじゃないかと話したら即座に否定されたことがあった。
 岡崎は批評家でもある。彼の『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー)は名著と評価を得ている。購入しているがまだ読んでいない。
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岡崎乾二郎展 ”Things” never die. It only changes its form.
2017年1月25日(水)―2月19日(日)
13:00―18:00(月・火曜日定休)
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A-things
東京都武蔵野市吉祥寺北町3-5-8 イトーピア吉祥寺マンション1F
電話0422-54-4368
吉祥寺駅西口から吉祥寺通りを北進し、五日市街道を左折して西へまっすぐ進む。成蹊大学を超えて100mほどの右側。駅から徒歩15分以上。