東京京橋のギャラリー檜Cで山本圭子展が開かれている(2月25日まで)。山本は1982年静岡県生まれ、2005年に東北芸術工科大学彫刻コースを卒業し、2007年に同大学大学院彫刻領域を修了している。個展は2015年のガレリア・グラフィカbis、昨年のART FOP THOUGTについで3回目となる。2015年の展示を以前ブログに紹介した。そのときの文章を再録する。
今回の目玉作品は正面の壁面を覆うような茶色い顔の作品だった。天地左右がいずれも3mという巨大な顔、これは段ボールでできている。段ボールといっても、顔を構成している面は段ボールの切断面だ。つまり後ろに60cmもの奥行きがあるレリーフ状の作品なのだ。これには本当に驚いてしまった。
あの作品はどうしたかとたずねると、古紙屋さんで処分してしまったという。もったいない!
さて今回は、やはり立体作品で和装の新郎新婦を作っている。単なる立体像ではなく、断面がその形なのだ。奥行きは数10cmはあろうか。今回の展示について山本の書いた文章がある。
時間と量と存在をテーマに制作しています。
日々の積み重ね、生きてきた時間、会った人全てが私に繋がって私は存在している。
柔かく薄い布を重ねていくことで、量になり、作品になる。
この空間で少しでも感じていただければ嬉しいです。
そのほか、布の断面を重ねて作ったレリーフ状の顔の作品や、丸い円盤状のオブジェの集合などが展示されている。額縁からはみ出している円盤状の作品を見ると。山本の過剰な内面が想像され、主観的にはつらいものがあるかもしれないけれど、作家としては豊かな才能が約束されているのではないかとエールを送りたい気持ちになる。
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山本圭子展
2016年2月20日(月)―2月25日(土)
11:30−19:00(最終日17:30まで)
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ギャラリー檜C
東京都中央区京橋3-9-9 ウィンド京橋ビル2F
電話03-6228-6361
http://hinoki.main.jp