Oギャラリー「選選展」の山田栞子がおもしろい

 東京銀座のOギャラリーで「選選(よりより)展」が開かれている(2月26日まで)。選選展は毎年Oギャラリーのオーナー大野さんが独断で選ぶ新人展だ。今回は創形美術学校の3人の版画家が選ばれている。木版の小山希と小口木版の鈴木智深、それにリトグラフの山田栞子だ。ここでは山田栞子を紹介したい。山田は1995年、東京都神津島生まれ。現在創形美術学校3年に在学している。
 山田の作品は変な動物を描いている。カタツムリ、タコ、魚、ニワトリだ。それらが複雑な形で覆われているように見える。このうち魚は「スイギョクカン」とタイトルがあり、これは何かとたずねると、山田の造語で水族館のような魚だとのこと。

 本来気持ちの悪いカタツムリは「ホテルマイマイ」と題されて、親の上に子が載り、子の上に孫が載っている。そしてその身体は小さな花で覆われている。

 タコの身体も花で覆われ、腹には穴が開いていて、その中にアナゴやタツノオトシゴや小魚が住んでいる。腹の上半分は潜水艦のようになっていて、リスが操縦しているようだ。潜望鏡もついている。

 ニワトリも雄鶏と牝鶏が並んでいて装飾過剰な外観を呈している。

 やはり花に覆われた魚のスイギョクカンは見事な尾びれと、シダのような装飾的なひれを持っていて、多数の小魚を従えている。
 それらを造形した想像力がすばらしい。紹介しなかった小山と鈴木もなかなか良かった。
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「選選展」
2017年2月20日(月)〜2月26日(日)
12:00〜20:00(日曜日は11:00〜16:00)
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Oギャラリー
東京都中央区銀座1-4-9 第一田村ビル3F
電話03-3567-7772
http://www4.big.or.jp/~ogallery/
※この画廊は毎日午後8時まで開廊し、時間は短いが日曜も開いている。