すゞしろ日記


 東京大学出版会のPR誌『UP』9月号の山口晃の連載漫画「すゞしろ日記」はダジャレで始まる。

1コマ目

四の玉湧く/やや/ぷかっ


2コマ目

もとい、子曰く、


3コマ目

三十而立、四十而不惑と続く論語の例のくだり
そろそろ天命を知るのか……天命って何だ……?
カノウ?

 この「カノウ?」が分かる人は少ないだろう。私も暫時考えた。
 答えは典明(テンメイ)に掛けた加納のことだ。加納典明はヌードグラビアのカメラマン。25年ほど前に雑誌『THE TENMEI』がわいせつ物ということで逮捕された。かなりえげつない際どいヌード写真で、Tバックのパンツをモデルに前後反対に穿かせて部分接写していた。それを称して典明履きと言った。逮捕されるのも仕方ないかと思われたが、加納は意外にも素直に罪を認めて早々に出所してきた。なんだかなあと思ったことだった。信念をもってエロをやっているならもう少し頑張ってもと思ったのだ。
 この『UP』9月号には、須藤靖の楽しい「注文の多い雑文」と、佐藤康宏の過激で真っ当な「日本美術史不案内」も載っている。それらはまたおいおい……。