ギャラリーQの井上修策展「-creature-」を見る

 東京銀座のギャラリーQで井上修策展「-creature-」が開かれている(9月22日まで)。井上は1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。長年ギャラリー現で個展を開いていたが、昨年ギャラリー現が閉廊したため今年はギャラリーQで開催している。
 タイトルのcreatureは生きもの、作品は剥製のように見える。ただ剥製の鳥の眼を閉じて床に転がしたり、鳥の羽にコウモリのような爪を付けたり、トカゲの革に蟹のハサミを付けたりしている。大きな毛皮はネットで購入したカンガルーとのこと。








 剥製を加工して架空の生物を作るというと江本創を思い出すが、江本が加工に腐心して空想の生物を生み出しているのに比較して、井上は空想の生物を創造する方向は採らず、現実の生物の一部にちょっとだけ加工してフェイク=模造品を作ることを意図しているように見える。作品サイズが大きいことも井上の特徴だ。
 井上は毎年全く別のテーマの個展を見せてくれる。そのテーマの幅広さが井上の教養を表わしているかのようだ。今年は何を見せてくれるのかといつも楽しみで井上修策展に通っている。
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井上修策展「-creature-」
2018年9月17日(月)−9月22日(土)
11:00−19:00(土曜日17:00まで)
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ギャラリーQ
東京都中央区銀座1-14-2 楠本第17ビル3F
電話03-3535-2524
http://www.galleryq.info