東京神楽坂のeitoeikoで「デストロイ・オール・モンスターズ」が開かれている(10月16日まで)。副題が「日本をめぐる4つの展覧会 第2回」というもの。ギャラリーのホームページから、
国内外で活動する総勢7名の作家によるグループ展です。タイトルは1968年に発表された本多猪四郎監督の映画『怪獣総進撃』が、欧米に輸出する際に名付けられた洋題を引用しています。1973年、同映画から影響を受けたマイク・ケリー、ジム・ショーというふたりの現代美術家は、自身らが結成したロックバンドに「Destroy All Monsters」と命名しました。さらに後になって、国内ファッションブランド、ヒステリックグラマーがバンドの写真やイメージをデザインとして用いることによって、この名は再認知されるようになっていきます。本展はSF映画という欧米のフォーマットが輸入され、日本で制作されたものがまた輸出され、さらに別のものとなって往復していくことにちなみ、浸透と変容のキャッチボールから日本文化の現在を探り、コロナ禍における文化の遮断、分断、破壊からの復興を思考します。出展作家の荒川朋子、入江一郎、アレハンドロ・ガルシア・コントレーラス、須崎喜也、島本了多、中島由佳、樋口愛子は絵画、彫刻、版画、写真、映像、陶芸な様々な表現媒体で発表しています。本展はこれらの美術メディアを横断し俯瞰する展覧会となります。
荒川朋子:立体作品に毛を植えている。キノコの猿の腰掛にもけが生えていておかしい。
島本了多:妖怪を陶で作っている。その発想がきわめてユニークだ。
須崎喜也:怪獣のようだが、表面は版画で覆っている。シリコン製で中味も詰まっているのでとても重たい由。
入江一郎:動画でボテロとジャコメッティが戦っている。肥満した人物の彫刻を作るボテロと、針金のように痩せた人物を作るジャコメッティの戦い。
ギャラリーでは図録を制作しているというが、まだ完成していなかった。
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2021年9月25日(土)―10月16日(土)
12:00-19:00(日曜・月曜休廊)
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eitoeiko
東京都新宿区矢来町32-2
電話03-6873-3830