風俗

街路樹のイルミネーション

クリスマス商戦の時期になり、各地の街路樹にイルミネーションが設置されている。永井荷風『日和下駄』(講談社文芸文庫)を読んでいたら、こんな文章が眼についた。 当世人の趣味は大抵日比谷公園の老樹に電気燈を点じて綺麗綺麗と叫ぶ類のもので、清夜に月…

佐藤優『インテリジェンス人間論』のおもしろいエピソード

先日佐藤優『インテリジェンス人間論』(新潮文庫)の興味深いエピソードを紹介したが、まだまだおもしろいエピソードがたくさんある。 森喜朗氏は北方領土問題の解決と日露の戦略的提携をとても重視し、筆者も20回以上、ロシア情勢について説明している。(…

佐藤優『インテリジェンス人間論』を読む

以前、佐藤優の『国家の罠』を読んでいたら、ロシアの大統領エリツィンが男同士でディープキスをすると書かれていた。もう少しレベルの高い親愛の情の示し方もあるのだが、それは日本の文化とかなりかけ離れているのでここでは書かないでおこう、とあって、…

最近の化粧技術の進歩に驚く

電車の中で若い女性が化粧をしているのを見た。それも口紅やアイシャドウのような最後に仕上げではなく、顔全体に何て言うのだろうファンデーション? を塗り込んでいた。ずいぶん厚みのあるものだった。こんなものを塗って基礎を変えれば、どんな顔に作りか…

「気」のスポット分杭峠(ぶんぐいとうげ)

職場の先輩が、あんたの田舎に分杭峠という所があって、とても「気」の強い所なんだってねと教えてくれた。調べてみると長野県伊那市と大鹿村の境ちかくにある所らしい。大鹿村は原田芳雄が主演した「大鹿村物語」の舞台となったあの村だ。 いつも頭を刈って…

「ポルノ雑誌の昭和史」を読んで

川本耕次「ポルノ雑誌の昭和史」(ちくま新書)を読む。昭和史とはいうものの、戦後のカストリ雑誌に少し触れているくらいで、実質的には1970年代以降の歴史が取り上げられている。 ポルノ写真雑誌の最初は一般の書店で販売されることのない、いわゆる通販本…

高級食材かに缶の値段に驚いた

駅ビルのスーパーに缶詰のコーナーがある。そのかに缶のコーナーには商品が置いてない。そこにはカードが立てられていて「ご希望のお客様は、お気軽にスタッフまでお申し付けください」と書かれている。 その商品を見てみると、 1,995円 日本海名産 かに脚肉…

ショッピングのおもしろ商品

某全国新聞2011年9月某日の全面広告に紙上ショッピングの広告が掲載された。ラム革ベスト、綿100%しじら織七分袖シャツ、作務衣、高性能集音マイク、クロコダイル革のベルト、カンガルー革の軽量シューズ、雑草根こそぎスーパーマルチホーク、チノパンツ、…

新宿2丁目を少し歩いた

土曜日恒例の画廊回りの最後に新宿2丁目にあるギャラリーポルトリブレへ行った。展示を見て画家たちや画廊主の平井さんと話したあと、時間が早かったので近くにあるフォトグラファーズ・ギャラリーへ行ってみた。ギャラリーでは大友真志展と岸幸夫展をやっ…

「ひげの生えたパイプ」って何だろう

昨日紹介した安部ねりの「安部公房伝」(新潮社)に元NHKのディレクター長与孝子にインタビューしたものが載っている。長与によれば、1959年にNHKの連続ラジオドラマとして放送された「ひげの生えたパイプ」は公房が書いたのだった。 それからご一緒に単発の…

昔から節電を実行している銀座のクラブ

原発事故の影響で節電が求められている。私の勤める職場でも天井の蛍光灯の3分の2が外された。その節電をむかしから実行しているのが銀座のクラブだった。 私は前職でときどきクライアントを銀座のクラブで接待していた。まあ、銀座のクラブといっても2流…

銀座の猫

土日などの歩行者天国の銀座に猫を連れてきて、道路標示の上に乗せて銀座を散歩している人たちに見せているのがいる。なぜか猫たちも慣れていておとなしく座っている。初めて見たのが2009年の11月だった。まだ子猫と言っていいくらい小さかった。昨年もこの…

ちくま新書「セックスメディア30年史」を読む

荻上チキ「セックスメディア30年史」(ちくま新書)を読む。驚いたのはこれを書いた荻上がまだ30歳という若さだということ。それがよく調べられて書かれているのだ。私が知らなかったことが多々あったほど。小さな驚きは筑摩書房から発行されたこと、さすが…

BLDギャラリーの瀬戸正人展「binran」がおもしろい

銀座2丁目のBLDギャラリーの瀬戸正人展がおもしろい。瀬戸は写真家で、何度も台湾のビンロウ売り娘の写真展を開いている。ビンロウの実は弱い覚醒作用があるので長距離トラックの運転手が噛みながら走るのだという。台湾では長距離トラックの運転手向けにセ…

やくざ小唄と練鑑ブルース

もう40年以上前になるが、横浜の鶴見で屋台のラーメン屋をやっていた。その時の仲間で安ちゃんというのがいた。本名を安藤と言った。安ちゃんは私より1つ上だったが、屋台の仕事に入ってきたのは私より1週間あとだった。そんなことで割と仲が良かった。安…

「アド街ック天国」の墨田区東あずま

2011年5月7日の「アド街ック天国」で墨田区東あずまが取り上げられた。そのベスト30は以下のとおり。 http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/110507/01.html 1.がんばる町工場 世界一の自立式電波塔となった東京スカイツリーの麓には、未だがんばる町工場…

真似のできないテクニック

「婦人公論」5月22日号に読者告白が組まれていて「私の扉を開いた忘れられない絶頂感」という何とも(男にとって)魅力的な記事が載っている。「水の刺激で知った初めての感覚」とか「さわやかな彼の意外な一面に……」とか「犬似の男性に見られ、甘えられて…

井上ひさしの説く60代のセクシュアリテ

井上ひさしは第119回直木三十五賞(1998年秋)の選考委員をしていた。この時受賞しなかった重松清「定年ゴジラ」に対する選評を書いている。 「定年ゴジラ」(重松清)は、文章も小説技術もうまい。たとえば第7章の、12枚撮り使い切りカメラを軸に話を進め…

井上ひさしのトラウマ

1988年の第1回山本周五郎賞は山田太一の「異人たちとの夏」が受賞した。選考委員の一人が井上ひさしだった。その選評を読むと、井上はこの受賞作を無条件に評価しているわけではなかった。 山田太一氏の「異人たちとの夏」、点数は3.98です……。たいへん素晴…

岡田斗司夫の男女のランク付けが面白い

朝日新聞恒例の読者相談室「悩みのるつぼ」で岡田斗司夫が面白いことを言っている(4月9日付け)。相談者は60歳手前の主婦で、28歳の息子の女性関係について相談している。息子は、 昔から女の子にモテナイというか引っ込み思案でした。背格好は普通の、地…

西日本と東日本の違い

毎日新聞に、連載マンガ「毎日かあさん」の連載10年目、400回を超えたのを機会に作者西原理恵子へのインタビューが掲載されている(2011年4月3日)。西原は高知県の出身だ。ここで西原による西日本と東日本の人情の違いが語られている。 −−今年で連載10年…

私がもてた話

少し知っている女性画家から小さなヴァレンタインのチョコレートが送られてきた。娘に見せると、父さん、その女の人に気があると思っちゃいけないよという。そんなこと思わないよ。父さん、もてないから誤解するんじゃないかって教えてあげたんだよ。 娘の言…

女子高生が電車で着替えたり、毛を剃ったりしているそうだ

朝日新聞の「声」欄に2月20日と27日にそれぞれ、「女子高生 電車内で着替えた」と「女子高生、電車内で毛剃った」という投書が載った。 JRの電車内で、あり得ない光景を目撃しました。ほぼ満員の車内に乗り込んできた学校帰りらしい2人の女子高生が、空い…

唇こそがすべてなのだ〜チェシャ猫の謎

東京駅の銀の鈴という待ち合わせ場所でベンチに座って本を読みながら時間をつぶしていた時、目の前に若い娘が座っていた。その娘はミニスカートから太い足を出して組んでいて、iPodか何かをずっと見ていた。下を向いているので長い髪が顔にかかり、眼が全然…

ポトラッチ再び

先日「ヴァレンタインのゴディバ」(2011年2月13日)でポトラッチを紹介した。プレゼントの贈答で、キモは相手から高価な贈り物を受けとることではなく、相手に多額の出費をさせることなのだと指摘した。信じられないようなことかもしれないが、その実例を…

未来のファッション

乗り換えのために電車を降りた私の前を若い女性が歩いていた。彼女のファッションは、ベージュの短パンに黒いストッキングだった。短パンは刺繍だかレースだかで飾られている。それは下着を連想したが、まぎれもなくアウターである。もちろんインナーに似せ…

ヴァレンタインのゴディバ

ヴァレンタインが間近になって高級チョコレートのゴディバに客が群がっている。なぜか? ゴディバは高いから。バブルの頃贈り物に胡蝶蘭が選ばれた。当時胡蝶蘭は花茎1本1万円だった。胡蝶蘭とゴディバに共通するものは何か? 高価でしかも値段が推察でき…

恵方巻きの食べ方が

ここ数年かもっとか、節分に恵方巻きを食べるのが流行っているらしい。どうして誰も言わないのだろう? あれってすごく下品な食べ方だって。どうしても何やら怪しい行為を連想してしまう。 これに比べたら、廣田新七氏(仮名)がニューヨークのレストランで…

枇杷の花と乳首の類似性

冬は枇杷の花の開花期だ。しかし枇杷の花は限りなく地味なので、人はなかなかそれに気づかない。下の写真が駐車場の片隅に咲いている枇杷の花だ。花というより埃に近いと言われるかもしれない。 それを一枝折り採って帰ると、娘が花瓶に挿してくれた。室内の…

美しい尻?

昨日紹介した大塚英子「夜の文壇博物誌」(出版研)にこんな一節がある。 「この子のお尻、すっごくカッコいいのよ。キュッと上がっていて、丸くって、こんなお尻あたし初めて見たわ」 古川裕子(ママ)がそう言って、安部公房氏の前に私を立たせた。 安部氏…