電車の中で若い女性が化粧をしているのを見た。それも口紅やアイシャドウのような最後に仕上げではなく、顔全体に何て言うのだろうファンデーション? を塗り込んでいた。ずいぶん厚みのあるものだった。こんなものを塗って基礎を変えれば、どんな顔に作りかえるのも自由自在じゃないかと娘に言うと、化粧する前と後の顔を比べたサイトがあるから見せてあげるよと言われた。
・大改造!!お化粧ビフォーアフター
http://matome.naver.jp/odai/2124876671474902050
もう無茶苦茶驚いた。こんなにも変わってしまうのか。私たちはいったい何を信じたらいいのだろう! い、いや、素直にafterを受け取るべきなのだろう。しかし、と考える。彼女たちは寝る前に化粧を落とすだろう。朝、化粧する前の彼女を見たら、分かるだろうか、君だと。
今日で終わりということ
不思議な気がするね 不思議さ
風が吹いてる コブシがゆれてる
卒業だ さよなら
いつかふたりが会ったら
ぼくだとわかるかな きみだと
大江健三郎「キルプの軍団」(岩波同時代ライブラリー)に載っている「卒業」と題する詩だ。脳に障害のある光君が作業所を卒業するにあたり、弟のオーちゃんが作った詩という設定で書かれている。もちろん大江健三郎の書いた詩なんだが。光君も同級生たちも脳に障害があるので、卒業したらもう分からないかもしれない。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/11
- メディア: 単行本
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