東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで保坂航子展「ギャラリー山口へのhommage」が開かれている(6月14日まで)。保坂航子は福島県生まれ、2016年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程彫刻コースを修了している。2007年ギャラリー山口で初個展、2016年よりここギャルリー東京ユマニテbisでもう9回個展を繰り返している。2020年にいりや画廊でも個展をしている。
保坂のコメントがギャラリーのホームページに掲載されている。その抜粋、
私は、石で起こしたかたちをブロンズに置き換えるという制作手法をとっている。彫刻はもともと可変性のある素材で形態(原型)をつくり、そこからより持続性の高い素材に置き換えることによって発展してきたのであるが、今日強固な素材として考えられている石材は、ギリシャにおいてはブロンズによって制作されたオリジナル作品のコピー素材(代替)であり、紙のように転写し大量に消費される素材であった。
《残響》(Echo)という作品は棒状に伸びた抽象形態を床面に寝そべるように横たえてただ、存在を感じさせるためのインスタレーション様作品である。(ここでは敢えて「彫刻を転がす」のではなく、「彫刻を横たえる」という風に表現することとする。)今回の二次作品は、延長として、石からブロンズへと転化することにより研磨された作品表面に観者の顔が映り込み、視線を変容させる目的がある。黒御影石の無機質な素材感は夕日に照らされて眼出する線状の影のようにしか見えないだろう。見られていなかった作品の輪郭が顕(あらわ)になることで鏡面磨きされたブロンズの質感のみが露出する。






≪残響≫は長さが2mもある。大きな音が次第に小さく消えていくような現象を造形化しているのだろうか。≪アダンの実≫という作品は熱帯の果実アダンを象徴的に再現しているかのようだ。
どちらも抽象的な彫刻でありながら、現実のモチーフを昇華させて作品化している。残響という言葉のように、作品の向こうにある「もの」に連続しているようだ。
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保坂航子展「ギャラリー山口へのhommage」
2025年6月9日(月)-6月14日(土)
10:30-18:30(最終日は17:00まで)
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ギャルリー東京ユマニテbis
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F
電話03-3562-1305