樹村みのり『彼らの犯罪』を読む

 樹村みのり『彼らの犯罪』(岩波現代文庫)を読む。1988年にあった女子高生凌辱、殺害事件を描いている。4人の少年たちが通りすがりの女子高生(18歳)を誘拐・監禁し、40日間にわたる強姦・暴力・性的凌辱の果てに彼女が死亡すると、死体をドラム缶にコンクリート詰めにして埋立地に遺棄した事件。

 おぞましい事件を描いていて、読むのも躊躇したが、樹村みのりがどのように描いているのか興味があった。

 出版社に勤めている女性が裁判を傍聴するという設定で描かれている。事件は裁判の過程で検察による陳述という形で語られる。改めて胸糞が悪くなる事件だ。40日間の監禁中に、彼らは女子高生に殴る、蹴る、ライターのオイルをかけ、オイル焼きを繰り返す。やくざを気取って逃げたらおまえの家族を痛めつけると脅した。

 裁判の結果は主犯の少年が懲役20年、他の3人が5年から10年の懲役だった。判決が1991年、もう20年以上経っているから皆満期釈放されているのだろう。世間に出てきて相変わらず悪だという噂も聞く。

 ほかに、カルトのマインドコントロール家庭内暴力などを描いている。

 この女子高生コンクリート詰め事件があった少し前、私はオートバイを乗り回すためにしばしば東京湾埋立地へ走りに行っていた。現在ゴルフ場になっている一帯は立入禁止地区だったが、オフロードバイクの走行にはもってこいの場所だった。そこへ行く途中にバイク好きの少年たちが走り回っている舗装路があった。死体を詰めたドラム缶が遺棄された場所が新聞に載ったとき、すぐその場所だと分かった。

 少年たちは懲役刑で済んでしまったが、死刑にするべきだと思っている。この事件を考えると死刑廃止論には組みすることができない。