東京銀座の藍画廊で日比野絵美展が開かれている(3月26日まで)。日比野は1986年神奈川県生まれ、2009年に日本大学芸術学部美術学科版画コースを卒業し、2011年に同大学大学院芸術学研究科博士前期過程を修了している。2011年に藍画廊で初個展、その後も藍画廊で何度も個展を開いている。高浜利也に師事したという。
日比野の作品は単純な形や線の繰り返しだ。それはミニマル・アートに通じるのだろうが、決して無機質ではなく、線のかすれや歪みなどからどこか女性的な優しさが感じられる。個々の小さな銅版画を組み立てて大きな作品を作っている。単純な形なのだが、見続けていると、派手な物語を描いた作品がどこか見飽きてくるのと反対に、いつまでも見飽きないのだ。
以前も書いたが、小さな作品の集積は量から質へ転換するという弁証法の法則に従って、別の新しい世界に到達する。この後どこへ連れていってくれるのだろう。日比野の進化、展開を見守りたい。
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日比野絵美展
2022年3月14日(月)―3月26日(土)
11:30-19:00(土曜日は18:00まで)日曜休廊
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藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階
電話03-3567-8777