藍画廊の上野茂都展を見る

 東京銀座の藍画廊で上野茂都展「赤竜」が開かれている(10月1日まで)。上野は1961年千葉県生まれ、1987年多摩美術大学大学院彫刻専攻を修了している。1986年にギャラリー葉で初個展、以来ギャラリー21+葉や藍画廊などで20数回個展を開いてきた。3年前のここ藍画廊での個展では生のサツマイモを使った彫刻作品を展示していた。



 今回は赤竜とタイトルがある。赤竜とはミミズのことだと言う。なるほど布で作られた細長い棒状の作品が15本、床に並べられている。触ると柔らかい。中に綿が詰めてあるという。布はウエスを使っている。ウエスとは工場などで汚れを拭うのに使うぼろきれ、それをうまく利用している。ウエスを使ったとは思えないきれいな作品になっている。

 しかしながら、前回のサツマイモ彫刻と言い、今回の布で作ったミミズの彫刻と言い、やっぱり変だと思う。会場に自伝らしき上野茂都著『個展物語』(青林工芸舎)が売られていた。これを読んで不思議な彫刻家上野茂都について研究してみよう。

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上野茂都展―赤竜―

2022年9月26日(月)-10月1日(土)

11:30-19:00(最終日18:00まで)

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藍画廊

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階

電話03-3567-8777

http://igallery.sakura.ne.jp/