東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」展が開かれている(10月1日まで)。たまびやきとは、多摩美術大学工芸学科/陶/選抜作品展のこと。今週が学部生で来週が院生になる。
栗原智美、「人肉の表現で皮革製品を模した作品」とある。
和田遥、「雪が降る。木々や建物は雪に覆われ存在だけが残る。……存在だけが残った世界の心地よさ、……その景色を見たときの感覚をモチーフとした」。
永井優里、「陶という素材は、重力の影響を受けやすく、それを視覚的に訴えてくる。この素材を用い、重力に抗おうと制作することで起きる独特な力強さ、しなやかさがある。……これを表現したいと考えている」。
李智民、「様々な複雑さが一つになり、言葉にははっきり表せない感情を形として表現した」。私には、名付けられる以前の存在そのものを表したように見える。
壹岐幸人、「無機的な原型に有機的な表情を纏わりつかせたとき、その豊かさによる力強さと、有機的な表情が感じさせる、立体と空間の2つで作品になることを意識して表現している」。
今関華、「内側の力が外側に影響したさまを見たとき、元の形が壊れると同時に新たな形へと変換されるさまにモノとしての力強さと面白さを感じた。これらを自分の中に取り込み、変換することで形をより明確なものにした」。
伊藤舞柚、スプーンとフォークで作った乗り物の童話をモチーフにしているが、撮影し忘れてしまった。
私は「たまびやき」の企画が好きで、もう何年も見てきた。今年の作家たちは総じて少々おとなしい印象だった。
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「たまびやき」
2022年9月26日(月)-10月1日(土)
11:00-18:30(最終日は17:00まで)
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889