山本弘の作品解説(104)「日々酔如泥」

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 山本弘「日々酔如泥」、油彩、M10号

 昭和46年(1971年)制作。山本弘41歳。文字通り酒におぼれている自分自身を戯画化して描いている。本作は飯田市美術博物館所蔵となっている。しかし所蔵されている作品と少し違うところがある。所蔵されているものには左上の頭のところが黒くなっている。これは遺族によれば障子が燃えたことがあって、その時に付いた煤だという。ここに掲載した写真は描いてまだ2年後の1973年9月撮影したもの。当時ポジフィルムで撮影したので50年近く経ったにも関わらず退色していない。もちろん煤も付いていない。

 

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収蔵品は頭の上が煤で汚れている