合掌の法則、再び

 この2冊の本のカバーが短くて上部が数ミリ寸足らずになっている。2冊とも同じ著者(白井聡)の本で、講談社α文庫と集英社新書で出版社は違う。

 カバーを取ってみたら、どちらもその下に別のカバーがあった。してみると、寸足らずのカバーは実はいわゆる「帯」が大きくなったものだった。どちらの本も、大きな帯、カバー、表紙という構成になっている。


 このようにカバーが寸足らずだと見えたこと=小さな違いに注目して調べると、それがカバーではなく帯だったことが分かった。小さな違いから大きな違いが発見できること、私はこれを「合掌の法則」と名付けている。
 合掌の法則について以前詳しく書いている。

 一見同じものに見えても、小さな差異に注目すると、それが全く違うものだったり、あるいは単なる誤差だったりすることがある。普通単なる誤差に過ぎないものが多いかもしれないが、まれに全く異なることがある。売上げの計算が合わなかったとき、それは単なる計算違いかもしれないし、お釣りを間違えて渡してしまったのかもしれない。しかし、もしかすると、横領のつじつま合わせに失敗してしまったのかもしれない。深夜帰宅してきた夫の下着が前後逆になっていた場合、朝から間違えて履いていたのかもしれないし、会社で健康診断があってそのとき間違えたのかもしれない。しかし、もしかすると部下の女性と浮気をしてきたのかもしれない。
 合掌の法則とは、小さな差異がもしかすると根本的な違いを示しているかもしれない、ということを示唆しているのだ。竜頭蛇尾と言うなかれ。バーナード・ショウも同じ様なことを簡潔に言っているのだから。

When a thing is funny, search it carefully for a hidden truth.
(何かがおかしい時は、真実が隠れていないか気をつけろ)

 日本ではカバーと表紙と呼ぶものを、アメリカではジャケットとカバーと呼ぶという。カバー=ジャケット、表紙=カバーという図式。


 合掌の法則を詳しく紹介した私のブログも併せて読んでください。
合掌の法則(2016年5月4日)