東京銀座の藍画廊で瀧田亜子展が開かれている(11月18日まで)。瀧田は1972年東京都生まれ。なびす画廊での個展を中心に銀座の画廊で発表を繰り返してきた。今年7月になびす画廊が閉廊したため、今回から新しい空間での発表となった。そのためか作品も少し変わってきた印象がある。
画廊の右手の壁面に横長の大きい作品が展示されている。楔形が数十個並べられた右横に大きなひし形が4個描かれている。この2面で一つの作品だとのこと。瀧田は多く単純な基本形を繰り返し並べて作品を構成していた。今までこのような異質の形を合成したような作品はなかったと思う。
左手の壁面に展示された横長の作品が瀧田の従来の傾向を表したものだ。そして画廊正面に置かれたやや小ぶりな正方形の作品と、それに向かい合った壁の縦長の作品が面白かった。どちらもグレイを基調にした地に太い線やかすれた線で楔形=三角形を繰り返し描いている。このうち、私には正面の小ぶりの正方形の作品がおもしろく感じられた。瀧田の作品は基本形の繰り返しで構成されていると言ったが、その基本形はフリーハンドで描かれ、筆触を強く残している。一見ミニマルな姿勢をほの見せながら抽象表現的な味を残している。その混合がおもしろいのだ。
12月には東急池上線洗足池駅近くのギャラリー古今でも個展が予定されている。なびす画廊というホームグラウンドを離れての瀧田の変化を楽しみに見ていこう。
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瀧田亜子展
2017年11月13日(月)―11月18日(土)
11:30−19:00(最終日18:00まで)
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藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2F
電話03-3567-8777
http://igallery.sakura.ne.jp/