恒例なびす画廊の瀧田亜子展を見る

 東京銀座のなびす画廊で瀧田亜子展が開かれている(11月22日まで)。瀧田は1972年東京都生まれ。なびす画廊での個展は今年の4月に続いて今回で17回目になる。最近は春秋と年に2回も個展を行っている。その作品は紙に顔料で描いている。
 瀧田は昔から書を学び、そのため中国に留学してもいる。絵画に転じた後も、書を通して身につけた「線」を表現の核にして作品を作っている。書と西洋絵画を融合した瀧田の仕事は独特の世界を見せている。


 今回も大きなパネルを3面の壁に展示している。正面が屏風仕立ての6曲のもの。不定形の紫色がいくつも地に浮き出ている。これは去年の11月の個展でも近い作品があった。



 右の壁の作品と左の壁の作品は似ていて、筆触を見せるピンクの四角い形が描かれている。違いは右の壁の作品が8枚のパネルで構成されていることと、1枚のパネルに四角形が8個描かれていること。左の壁の作品は6枚のパネルに四角形が6個ずつ描かれていることだ。この左右の作品はほとんど規則正しく四角形が描かれている。ミニマリスムに近づきながら筆触を積極的に描いていることでそれから少し距離を取っているように見える。

 正面の壁の反対側に小さな作品が展示されている。こちらは筆触を全面に出したある意味典型的な抽象作品だ。これがなかなか面白かったが、瀧田はこの路線を積極的に展開するつもりはないようだった。ちょっと見てみたい気もするのだが。
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瀧田亜子展
2014年11月17日(月)−11月22日(土)
11:30−19:00(土曜 17:00まで)
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なびす画廊
東京都中央区銀座1-5-2 ギンザファーストビル3F
電話03-3561-3544
http://www.nabis-g.com