なびす画廊の橋本倫展がすばらしい

 東京銀座のなびす画廊で橋本倫展が開かれている(7月11日まで)。橋本は、1963年神奈川県横浜市生まれ、1986年に多摩美術大学美術学部油画先行を卒業し、1988年に同大学大学院美術研究科を修了している。同年村松画廊で初個展、ここなびす画廊では1994年以来今回が13回目になる。




 なびす画廊での個展はすべて見ていたが、今回は本当にすばらしい展示だと思う。何やら不思議な形が画面を埋めている。黒っぽい作品は龍を描いたのだろうと思われるが、ほかの作品は日本の祭りの装飾や、韓国の民画とか中国の京劇の図案などを連想させる。
 ぎっしりと画面を埋める豊かな色彩と図像が、ある秩序をもって作家によってみごとに統制されて配置されているのだが、同時に今にも動き出しそうなダイナミズムを秘めている。絵には中心がなく、そのため眼は1カ所に集中することなく画面を泳ぎ回る、いや泳ぎ回らせられる。豊かな絵画体験と言っていいだろう。眼福という感じがするほどだ。
 橋本は今回の個展でとても大きな達成をしたと思う。ぜひ多くの人に見てもらいたい。会期は来週一杯あるのだから。
※今回は日曜と月曜が休廊なので注意
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橋本倫展
2015年6月23日(火)−7月11日(土)
11:30−19:00(土曜日は17:00まで)日曜・月曜休廊
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なびす画廊
東京都中央区銀座1-5-2 ギンザファーストビル3F
電話03-3561-3544
http://www.nabis-g.com