新井コー児展「11年間ありがとう」を見る

 東京銀座のなびす画廊で新井コー児展「11年間ありがとう」が開かれている(11月29日まで)。新井は1973年群馬県高崎市生まれ、1996年に多摩美術大学油画専攻を卒業している。新井は2004年から毎年なびす画廊で個展を開いてきた。今回が11回目になるが、銀座での個展は今回で最後にするという。それがこのタイトルの意味だ。





 新井はいつも昭和40年代の女子高生を描いている。女子高生たちが授業中タバコを吸ったり日本酒(八海山)を飲んだりしている。花札をしている絵、鍋を囲みながら酔いつぶれている絵、プールの掃除をしながらビールを飲んでる絵まである。新井の絵に欠かせない吉田拓郎のLPレコードもある。

 居酒屋で肩に猫を載せてタバコを吸いながらビールを飲んでいる女子高生もいる。現象を見れば十分不良なのだが、なぜか新井の女子高生たちは不良には見えない。むしろ健全な印象なのだ。おそらく新井自身が健全なのだろう。どの作品もきわめて楽しいものに仕上がっている。
 毎年楽しみにしてきたこの新井コー児展が来年から見られないのは淋しい。またぜひどこかで再開してほしい。
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新井コー児展「11年間ありがとう」
2014年11月24日(月・祝)−11月29日(土)
11:30−19:00(土曜 17:00まで)
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なびす画廊
東京都中央区銀座1-5-2 ギンザファーストビル3F
電話03-3561-3544
http://www.nabis-g.com