巷房2の中川るな展「無境界の棚」を見る

 東京銀座のギャラリー巷房2で中川るな展「無境界の棚」が開かれている(2月7日まで)。中川は1981年女子美術大学を卒業し、1993年には多摩美術大学大学院を修了している。1989年に銀座のGアートギャラリーで初個展、以後ギャラリー山口やギャラリーアリエス、クレイギャラリー、コバヤシ画廊、ルナミ画廊等々、さまざまな場所で展示を行っている。
 ギャラリーの壁に掲示されているテキストを引く。

「無境界の棚」-Shelf of no border


"境界"の世界に住んでいる私たちの"境界"はときにとてもあいまいで…
19段の棚の上にいる"境界"のあいまいなものたち…
ときに、「ある日に見た満月は、19年後の同じ日に再び同じ位置にやってくる」らしい…






 広くはないギャラリーの3方の壁一面を蝋で作られた小さな熊の人形型のロウソクがぎっしりと埋めている。その数は7,000個だという。作るのは時間をかけてできるからいいけれど、展示作業は2日間でやったから大変でした。
 その量に圧倒される。こんなにたくさんの数が並んでいるのを見ることは今までまずなかったのではないか。人形は型どりしたものだというが、型は数点あり、似ていても違っている。さらに、蝋も透明なものと白いものを混在させている。
 弁証法でいう「量から質への転換」が体験できる展示だ。鑑賞者は7,000個のオブジェに囲まれる。このとき広くはないギャラリーが一層効果的に感じられる。
       ・
中川るな展「無境界の棚」
2015年2月2日(月)−2月7日(土)
12:00−19:00(最終日17:00まで)
       ・
巷房 地下・階段下
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話03-3567-8727
http://gallerykobo.web.fc2.com/