東京京橋のギャルリー東京ユマニテで小笠原森展が開かれている(2月7日まで)。これがとても良かった。小笠原は1978年東京都生まれ、2003年に多摩美術大学工芸学科陶プログラムを卒業し、2005年に同大学大学院美術研究科工芸を修了、2009年まで同大学陶研究室勤務。
2004年にトキ・アートスペースで初個展、以後同ギャラリーやLIXILギャラリーなどで個展を繰り返している。
作家のテキストから、
素材に対する行為を基にした作品の生み出す関係性の可能性、またそれによるフィードバックの可能性が気になります。
モノや素材に対する行為を伴わずとも美術が成立するという認識が既に一般的になった現代において、実際に存在する素材と向き合い、それを扱う事がどういう事なのかを考えます。
事象を指し示すための矢印としての作品ではなく、敢えて言語化を 避けて素材と向き合い、 意識と無意識を往き来しながら、作り手自らがしつこくウンザリするくらいに単調な行為を繰り返すと、それは言葉を超えた情報を発するのではないかと思うのです。
ギャラリーには大きな陶の立体が2点置かれている。個々のパーツを作りそれを接着し大きな作品に仕立てている。個々の要素は単純ながら、それが組み上がって複雑な形態を作っている。ところがその複雑な形態がある意味単純で美しい。完成度が高いのだ。
また奥の事務所には小品が展示されている。こちらは成形された粘土から削りだして複雑な形を作り、それを焼き上げている。
気持ちの良い立体作品を見ることができた。
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小笠原森展
2015年2月2日(月)−2月7日(土)
10:30−18:30(最終日18:00まで)
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ギャルリー東京ユマニテ
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
電話03-3562-1305
http://g-tokyohumanite.jp/