大栗博司『重力とは何か』(幻冬舎新書)を読む。朝日新聞の書評(7月1日)で、瀧井朝世が「"素人の目"で読みやすく」と書いていたから。その書評を一部再録すると、
素粒子論の研究者が重力の基本から最新の超弦理論(超ひも理論)までを解説し、宇宙の謎に迫っていく。初心者でも研究の全体を見渡せる画期的な一冊だ。(中略)
後半はやはり話が複雑になってくる。第7章のホログラフィー原理の話では「えっ」と驚く事柄が明かされ、物理の理論のはかり知れなさにのけぞった。
6月末頃ですでに5刷11万部も売れているという。売れている理由は題名が大きいと思う。おそらく編集者のアイデアではないか。正確な内容としては、「重力の基本から最新の超弦理論(超ひも理論)までを解説」ということだろう。著者の専門の素粒子についての記述も多い。
なかなか面白く読んだが、私にとっては「読みやすく」はなかった。やはり難しいのだ。それでも「研究の全体を見渡せる」気にはなれるのだから新書としては成功だろう。
語り口は柔らかく、説明はやさしくていねいだ。ただそれにしても内容が超難しいのだ。
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)
- 作者: 大栗博司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/05/29
- メディア: 新書
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