LIXILギャラリーの「聖なる銀−−アジアの装身具展」が興味深い


 東京京橋のLIXILギャラリーで「聖なる銀−−アジアの装身具展」が開かれている(8月25日まで)。LIXILギャラリーはもとINAXギャラリー、社名が変わってギャラリー名も変わった。ギャラリーのホームページから、

月光のごとく煌く銀
身を守り喜びを表すかたちは、民族のあかし


古来よりその輝きは月光にも喩えられる銀。アジアにおいて銀は普遍的な素材として、また強い反射が邪悪なものをはね返す金属として尊ばれ、装身具に多用されてきました。とりわけ数百の民族が暮らすアジアでは、装身具は自身を飾るという目的以外に、民族のアイデンティティを示す重要なアイテムとして人々の暮らしの中で受け継がれてきました。それ故に存在感のある大胆な造形や手の込んだ細工など、ヨーロッパ以上に種類も豊富で固有なデザインが存在します。また装身具に込められた思いをひも解くと、生命と直結した聖なるものとしての意義や身体装飾への情熱までも知ることができます。
今展では、近・現代のアジアの代表的な装身具を通して、様々な歴史や民族が交錯するアジア大陸ならではの地域の比較や特徴などを紹介し、その魅力に迫ります。

 アジアの西から東、トルコから日本までの地域の、19世紀後半から20世紀末までの銀で作られた装身具を270点も展示している。とくにアジアを南、中央、西、東南、東の5つの地域に分け、地域ごとに分類して紹介している。各地方によって様々なデザインがあり、とても興味深い。なぜ銀なのか。ギャラリーのパネルには次のように書かれている。

アジアの人々にとって銀は特別の金属で、銀が発する白色の強い光には災いを跳ね返す魔除けの力があると信じられていたためと思われます。

 装身具に関心のある人も美術関係者にもきわめて興味深い展示だと思う。
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「聖なる銀−−アジアの装身具展」
2012年6月7日(木)〜8月25日(土)
10:00−18;00(休館日:日曜祝日と8月11日−15日)
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LIXILギャラリー
東京都中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA 2F
電話03-5250-6530
http://www1.lixil.co.jp/gallery/