俳句の季語「帰り花」

 先日秋に咲いたボケの花を狂い咲きと書いたが、俳句の冬の季語で、帰り花、返り花、忘れ花とも言うらしい。近所の団地の公園に植えられている山茶花に1輪ぽつんと花が咲いていた。帰り花だ。


「帰り花」について、「今はじめる人のための俳句歳時記」(角川ソフィア文庫)より、

帰り花 〔返り花 忘れ花 狂ひ花 狂ひ咲き〕 桜、山吹、つつじなどが、小春日和にさそわれるように、時期外れの花をつけること。ひっそりと咲くさまは哀れを誘う。


人の世に花を絶やさず帰り花     鷹羽狩行
帰り花鶴折るうちに折り殺す     赤尾兜子
礼服をしばらく吊りぬ返り花     山下知津子
返り咲く花は盛りもなく散りぬ    下村梅子

 盛りもなく散るのか……


今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)

今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)