吉田秋生の「海街diary4 帰れない ふたり」を読む

 吉田秋生の「海街diary」の待望の4巻が出た。「帰れない ふたり」(小学館)だ。以前にも書いたが、これは吉田秋生の「BANANA FISH」とか「YASHA−夜叉−」のようなヒーローものから家族をテーマにした青春ものへの回帰だ。4巻に記された「あらすじ」から、

父の死後、母親違いの3人の姉妹に引き取られた中学生のすずは今、鎌倉で生活している。地元のサッカーチーム・湘南オクトパスに入り、すっかり周囲の空気に馴染んだすずは、チームメイトの風太が最近気になるように。
一方、長女の幸は不倫相手だった椎名との別れを決め最後にお祭りに行く約束をする。すずの周囲が徐々に変化していき……。

海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス)

海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス)

 娘があきれたように言う。父さん、またナンジャクなマンガを買ってきて。男だったら「バキ」を読みなよ。
 たしかに私の本棚は吉田秋生南Q太安野モヨコらのコミックが並んでいる。娘のすすめる「バキ」とか「飢狼伝」とかはとても読めない。仕方ない、軟弱とのそしりは甘んじて受けよう。暁が来たら俺たちは、燃え上がる忍辱(にんにく)の鎧を着て、光りかがやく街々に入ろう。


吉田秋生「真昼の月−−海街diary2」(2008年11月24日)


海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)

海街diary: 陽のあたる坂道 (3) (フラワーコミックス)

海街diary: 陽のあたる坂道 (3) (フラワーコミックス)