INAXギャラリーの石田真也の祭壇

 東京京橋のINAXギャラリー2で石田真也展「ワンダフルトラッシュ」が開かれている(8月29日まで)。石田は1984年和歌山生まれ、2007年に大阪成蹊大学芸術学部美術工芸学科テキスタイルコースを卒業している。関西を中心に何度もグループ展で発表してきたが個展は初めてだという。で、今回の作品は祭壇である。

 石田は廃品を拾ってきて作品を作っている。今回の祭壇でもカラフルな短冊がたくさん使われていて、そこに書かれた文字がどうしても子供の文字と文章なので、これはどうしたのか聞くと、先月の七夕の後で捨てられていたのを拾ってきたのだという。
 祭壇の奥には鏡が掛けられていて御祭神とされている。賽銭箱も設置されている。また石田が制作したzorozoroと名づけられたたくさんの仮面が展示されている。
 ギャラリーで配布されているパンフレットの作家の言葉から、

 この頃(2009年)から本格的に祭りに関するものをつくろうと決めて、自分の祭壇をつくり始めました。虫籠、落ちていた棚、鳥の巣箱に金屏風や貝、スプレー缶のフタで装飾をして並べ、その前に神社の鈴緒をイメージした織紐をずらっと下げて、「鳥」を脇侍のように置く。意味は特に考えず、自分なりの祭壇のイメージです。

 全体が膨大な量で、関西から持ってくるとき4トントラックに積んできたという。キッチュなものも、これだけ徹底して制作されると何か崇高なものに転じてくるから不思議だ。


石田真也展「ワンダフルトラッシュ」
2011年8月19日(金)〜8月29日(月)
10:00〜18:00(日曜休み)
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INAXギャラリー
東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F
電話03-5250-6530
http://inax.lixil.co.jp/gallery/