結婚式場に関連した話

 以前東郷神社の経営する東郷会館の結婚式場の広告で変なのがあった。神主や巫女に先導されて和装の新郎新婦が神社の廊下をしずしずと歩いていて、そのコピーが「アメリカナイズされた私たちだけれど、結婚式は神式を選びました」とかいうものだった。何が変だかって自分たちのことをアメリカナイズされているなどというヤツはいない。この言葉には蔑称の匂いがある。まだ「アメリカのカルチャーが好きな私たちだけれど〜」なら分かるというものだ。
 東郷神社東郷平八郎を祭っている。東郷は日露戦争の英雄だ。それが最近の若い連中は東条英機とごっちゃにしていると怒っている文章を読んだことがある。いや最近の若い連中はどちらも知らないだろう。東条英機は太平洋戦争を遂行した総理大臣だ。A級戦犯で死刑になっている。
「結婚式教会」の誕生
 結婚式場といえば、五十嵐太郎「結婚式教会の誕生」(春秋社)は面白かった。最近日本各地に増えている教会の形をした結婚式場を分析している。教会に見えるがあくまでも結婚式場で、建築様式もいろんな時代の折衷というかごったまぜ、そしてチープ。ヴァージンロードの長さを誇ったり、入り口にふつう教会にはない長い階段をつけていて撮影の時にウェディングドレスが映えるようにしているとのこと。藤森照信の看板建築に関する研究に次ぐ面白さだった。