音楽の世界というのは、神童の墓場なんだよ

東京奇譚集 (新潮文庫)
 姉はピアノの蓋を開け、使い込まれている変色した鍵盤に指を置いた。「あなたはゆくゆく、コンサート・ピアニストとして名を成すだろうと思っていたんだけど」
「音楽の世界というのは、神童の墓場なんだよ」と彼はコーヒー豆を挽きながらながら言った。

    村上春樹東京奇譚集』(新潮文庫)所収「偶然の旅人」から

 私も以前似たようなことを書いた。「音大の学生の悲劇」(id:mmpolo:20070224)