洋式便器の蓋は椅子だった!

 洋式便器の蓋は椅子なのだという。日本人が知らないで蓋として使用しているとの指摘。著者は柴田大成氏、株式会社喜久屋代表とある。初出は「室内」に載ったものらしい。「室内」といえば辛口で知られる保守の論客山本夏彦が主宰していた工作社が発行している雑誌で、木工業界向けの専門誌だ。信用できるのではないだろうか。

 欧米から遣って来た、洋式便器も、大変な間違いのままメーカーも、使用する人たちも、何の疑いもなく受入れて、昔からそうだった様におちついてしまっている。間違いも、そのまま居座ってしまえば結構その体裁を整えてしまって馴染むものである。
 洋式便器の蓋(日本では蓋と考えている)が、実は椅子の座なのである。この座面(椅子)に腰かけて、靴の紐を解き、靴を脱いだり、靴下を脱ぐためのものである。本来蓋の形状でなく、椅子の座面のように内反りのカーブになってお尻になじむ形になっているものである。
 だから靴を脱ぐ必要のない個室形式の便所には座面はない、公衆トイレ、空港のトイレにはない、バスルーム内にある便器にのみ必要なものである。

  日本エッセイスト・クラブ編集「明治のベースボール ー'92年版ベスト・エッセイ集」(文藝春秋)より
 私も以前トイレの水量表記について提案したことがある。(id:mmpolo:20061011)