東京銀座の藍画廊で高柳恵里展「場所と大きさ」が開かれている(9月13日まで)。高柳恵里は神奈川県生まれ。1988年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了し、1990−1991年イタリア政府給費留学生としてミラノ国立美術学院に留学している。現在多摩美術大学教授。





最初の部屋の右の壁に紙テープが貼られている。その向かい側、左の壁に板が止められている。これは対になった作品とのこと。紙テープは市販のものと変わらないようだ。
奥の部屋には折り畳み式の簡易ベッド、サマーベッドとやらが置かれている。脊のところにブランケットが掛けられている。特に手を入れているようには見えない、日常で使われているベッドのようだ。
同じ部屋の壁龕には、何やらごちゃごちゃ置かれている。梱包材、テープ、クラフト紙、紙管、紙手提げ袋、それに皿に載ったチーズのプリント(インクジェット)らしい。これも作品とのこと。
高柳の展示を見るたびに、美術の概念を(暴力的に)変えさせられると思う。きわめて刺激的な展示なのだ。ちょっと石原吉郎の紹介した、シベリア抑留の日本人捕虜がソ連兵に言ったセリフを思い出す。あなたが人間なら私は人間ではない、私が人間ならあなたは人間ではない。
高柳はデュシャンの切り開いた美術の概念をさらに押し拡げている。ギリシャ神話のミダス王は触るものをすべて金に変えた。高柳はミダス女王だったのか。
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高柳恵里展「場所と大きさ」
2025年9月1日(月)-9月13日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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藍画廊
電話080-1046-7064
https://igallery.sakura.ne.jp/