第一生命ギャラリーの久保理恵子展を見る

 東京有楽町の第一生命ギャラリーで久保理恵子展「~ゆらぎ~」が開かれている(6月11日まで)。これがなんとも素晴らしい。久保理恵子は1966年東京都生まれ、1990年に武蔵野美術学園油絵研究科を卒業している。1994年になびす画廊で初個展、1996年からギャラリー現で5回個展を続け、その後ギャラリー覚や番町画廊で個展を行い、2009年に湘南台MYギャラリーで個展を開いた。2002年と2004年にVOCA展に選ばれ、2004年のVOCA展では府中美術館賞を受賞している。今回は16年ぶりの個展となる。


 久保は最初のなびす画廊での個展で黒い大きなユリの蕾や鮮やかな赤い花を描いていた。だがギャラリー現では一転して紺色の激しい筆触の抽象画に変わっていた。さらにギャラリー覚などでは、穏やかな静かな抽象画だった。私はギャラリー現時代の作風が好きだった。いつかまたあの作風に戻ってきたら良いのにと思っていた。

 それが今回はまた一転して水色っぽい色彩で塗り込められた静かな画面だった。「~ゆらぎ~」と題されている。その画面の美しさに圧倒された。繰り返し塗り重ねられた一見単色に近い色彩は、だが微妙な複雑さを含み、その色彩のわずかな濃淡が豊かな表情を示している。キャンバスの周辺にわずかに塗り残された部分が、造形的な豊かさを担保している。

 久保が沈黙していた16年間でここまでの達成を示したことに驚き、喜びを禁じえなかった。作品は5点とも共通して1,500×2,600mmという大きなサイズだ。ここに写真で紹介したが、久保の繊細な色彩はとても再現できない。ぜひギャラリーに足を運んで実物を見ることをお勧めする。

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久保理恵子展「~ゆらぎ~」

2025年5月21日(水)-6月11日(水)

12:00-17:00(土・日・祝休廊)

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第一生命ギャラリー

東京都千代田区有楽町1-13-1

https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/society/challenges/research/gallery.html