東京銀座のコバヤシ画廊で藤森哲展「時点探査―廻廊―」が開かれている(2月22日まで)。藤森哲は1986年横浜市生まれ、2011年に筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域を修了している。2016年JINENギャラリーで初個展、コバヤシ画廊では7回目の個展となる。2022年岡本太郎現代芸術展(TARO賞)特別賞受賞、今年の出光美術賞の菅亮平審査員賞を受賞している。




藤森哲はシュールリアリスティックな不思議な画面を作っている。それは宇宙船だったり宇宙服だったり、仏像だったりする。軍艦島をモティーフにした作品もあった。藤森のテキストに、私たちの文明は、順進しているようで逆進しているのではないかと仮説を立ててみるとある。時代が進むにつれて、文明が螺旋階段を登るようにループし、どこかのタイミングで再び過去の時点と同じような形態をとることが考えられる、それは進歩の先にある衰退の様相を呈するだろうと。
私たちは素直に進歩を信じて良いのだろうか。藤森は荒廃した世界を美しく描いている。藤森がモノクロで描くのは、荒廃した未来を一方で自己批判しているのかもしれない。あるいはただ藤森の想像力の華麗さを楽しめば良いのかもしれないが。
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藤森哲展「時点探査―廻廊―」
2025年2月17日(月)-2月22日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/