東京銀座のコバヤシ画廊で藤森哲展「爾今/逆進地未来」が開かれている(2月10日まで)。藤森は1986年横浜市生まれ、2011年に筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域を修了している。2016年JINENギャラリーで初個展、コバヤシ画廊では6回目の個展となる。2022年岡本太郎現代芸術展(TARO賞)特別賞受賞。
藤森は古い仏像や日本軍の戦闘機などを宇宙基地とか宇宙船と組み合わせて造形している。一つの作品として造形化されているが、シュールレアリズムの一種であり、また洗練されたモンタージュとかコラージュと言っていいのかもしれない。藤森はメッセージを直接に主張するのではなく、ある種高踏的に作品に織り込んでいるので解読するのが難しい。だが、藤森の作品は造形的に見事なので、意味が分からなくても十分に楽しめる。
独特のストロークは筆ではなく、ペインティング・ナイフやゴムべらを使って描いているのだという。色彩も数種類の絵具を混ぜ合わせて微妙な諧調の青っぽい黒を作っているという。
藤森哲については、山下裕二が『芸術新潮』の2023年8、9月号に紹介しているのをコバヤシ画廊で教えてもらった。
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藤森哲展「爾今/逆進地未来」
2024年2月5日(月)―2月10日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/