ギャラリイKの葉緑素為吉展を見る

 東京京橋のギャラリイKで葉緑素為吉展「迷い路」が開かれている(2月10日まで)。葉緑素為吉は近年「正七角形」という図形に興味を持ち、様々な作品化を試みているという。そして「正七角形を14個接続して生まれる円環」を基本単位として無限に拡張することが可能な作図法に到達する。しかしその作図によって生まれる平面には、正七角形以外の「余りの形」も同時に存在する。だとすればその「余り」とは正七角形とともにこの世界を構成する同等に意味のある存在なのではないか。そしてこの「正七角形」と「余り」の関係は、葉緑素為吉には見えない謎がひそむ終わりのない迷路となって眼前に広がっている。以上画廊の入口に掲示されていたテキストを要約した。


 テープを使って床から壁面まで正七角形が連続して描かれている。なるほど、「余り」の形も見えている。葉緑素為吉は前回までスプーンを床に並べた「ドローイング」と称するインスタレーションを見せてくれたり、ありふれたグラスを並べたインスタレーションを展示したりしていた。そこには無償のパフォーマンスとしか言いようのない、またそれだけ美術の本質のような興味深い表現が提出されている。若い頃斎藤義重の東京専門学校で学んだ萌芽がこのように開花しているのだろう。

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葉緑素為吉展「迷い路」

2024年2月5日(月)―2月10日(土)

11:30-18:30(最終日17:00まで)

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ギャラリイK

東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F

電話03-3563-4578

http://galleryk.la.coocan.jp