斎藤美奈子が高齢者差別について紹介している。(『ちくま』2024年12月号)
高齢者差別の原因は、大きく二つあるように思われる。第一の原因は、個人差が無視され、すべてが年齢で一律に判断される傾向だ。(中略)第二の原因は、生産性を重んじる資本主義社会では、生産活動から退いた高齢者はなべて「邪魔者」「厄介者」で、現役世代の活動を圧迫する存在として認識されていることだ。(中略)
テレビのコメンテーターも務めるイェール大学の成田悠輔助教授の発言が物議を醸したことがあった。高齢化問題を取り上げた21年のネット配信番組で、彼は「唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかない」「別に物理的切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて」と述べたのだ。(中略)
また、24年10月の衆院選に先立つ日本記者クラブ主催の党首討論(10月12日)で、国民民主党の玉木雄一郎代表はさらに由々しき発言をした。「社会保障の保険料を下げるためには、われわれは高齢者医療、とくに終末期医療の見直しにも踏み込みました。尊厳死の法制化も含めて。こういったことも含め医療給付を抑え、若い人の社会保険料を抑えることが、消費を活性化して、つぎの好循環と賃金上昇を生み出すと思っています」。(中略)
「集団自決」「尊厳死」という発想の裏に透けて見えるのは「寝たきりになってまで生きているのはかわいそう」「死んだほうが楽ではないか」という決めつけだ。しかし和田秀樹はいう。〈私の臨床経験から言えば、「死にたい」「殺してくれ」というお年寄りはほとんどいません〉。「早く迎えが来てほしい」などと口にする人は〈うつ病にかかっている可能性が高いのです〉。
自分が後期高齢者になっているので身に染みる。
