東京都現代美術館の「さばかれえぬ私へ」を見る

 東京都現代美術館で「さばかれえぬ私へ」が開かれている(6月18日まで)。これは美術館のホームページによると、

東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は2018年より、中堅アーティストを対象とした現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」を実施しています。各回の受賞者は2組で、複数年にわたる支援の最終年に、東京都現代美術館で受賞記念展を開催します。

第3回受賞者の志賀理江子と竹内公太による本展には、「さばかれえぬ私へ/Waiting for the Wind」という言葉を冠しました。この言葉は、TCAA授賞式から始まった志賀と竹内の対話の中から生み出された、いわば本展で唯一の2人の共同作品と言えるものであり、人々が抱える内面世界への呼びかけでもあります。

2011年の被災後、突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉えなおした志賀、第二次世界大戦時の兵器「風船爆弾」のリサーチにもとづき、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」による新作を発表する竹内。東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、対話の中で見出された共通の認識を持ち、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成します。

 

風船爆弾の落下点


 竹内公太は太平洋戦争中に日本軍が作り、アメリカ本土へ飛ばした直径10mの風船爆弾を再現している。さらに風船爆弾が落下した場所を調べて現地で確認している。

志賀理江子


 志賀理江子は2011年に宮城県で被災し、その体験から防潮堤の上を歩くパフォーマンスを始めた。そしてそれを映像化した作品を上映している。

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「さばかれえぬ私へ」

2023年3月18日(土)-6月18日(日)

10:00-18:00(無料)月曜日休館

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東京都現代美術館

東京都江東区三好4-1-1

電話050-5541-8600(ハローダイヤル)

https://www.mot-art-museum.jp/