東京六本木のYKGで小林エリカ展「Yの一生 The life of Y―ひとりの少女」が開かれている(5月31日まで)。ギャラリーのホームページより、
目に見えないもの、歴史、家族や記憶、場所の痕跡から着想を得て、小説、コミック、ドローイング、写真、映像、インスタレーションなど、様々な手法を用いた表現活動を展開する小林エリカ。『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、2019年)、第27回三島由紀夫賞候補および第151回芥川龍之介賞候補にノミネートされた小説『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、2014年)やコミック『光の子ども1~3』(リトル・モア、2013-2019年)など、執筆活動においても高い評価を得ています。近年は、東日本大震災以前からリサーチを続ける、核や放射能の歴史をテーマにした作品制作を展開。さらに戦時中の語られて来なかった女性達の声を掬い上げ、昨年出版された『女の子たち風船爆弾をつくる』(文藝春秋社、2024年)は、第78回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)を受賞しました。本展では、本書の内容に呼応した新作のペインティングを含む作品群、関連資料、およびテキストから構成される総合的なインスタレーションを発表します。
『女の子たち風船爆弾をつくる』は、作家の入念なリサーチに基づき、第二次世界大戦中、有楽町の東京宝塚劇場に学徒として動員され風船爆弾づくりを行った少女たちを描いた長篇です。Yutaka Kikutake Galleryにて開催される本展は、これまで「大文字」の歴史の影に埋もれて来た戦中の少女たちの声を、当時雙葉高等女学校に通う女学生だった実在の人物「Y」に托し、小林が描く「Y」のポートレートのほか、「Y」自身が学生時代に描いた絵画や「いろはうた」などと共に辿ります。本展はまた、有楽町アートアーバニズムYAUのオープンスタジオ(2025年3月6日~9日)で展示した「Yの一生 The Life of Y – ひとつの建物」と対となり、少女たちが生まれた同じ年につくられ、戦後GHQ占領下ではアメリカ軍のホテルとなったという八重洲ビルヂングのモザイクタイルやレリーフもあわせて展示されます。それらは、少女たちと同じ時を刻み、彼女らが前を通り、見上げ、思いを馳せたかもしれない、実際の建築の遺物です。
「桜」と題されたシリーズは、振袖の裏地絹に少女たちにゆかりのあるテーマ、あるいは場所の桜を、それぞれ描いた新作です。八重洲ビルヂング竣工の年、そして少女たちが生まれた年である1928年や、終戦の年である1945年、戦前、戦後、また現代へと、様々な時を刻む本作は、普通の女学生であった彼女ら、そして彼女らのひとりである「Y」の生の瞬間が、桜という表象に托され表現されています。








小林エリカについては、以前月刊誌『ちくま』に連載されたエッセイを読んでいた。このブログにも2回ほど紹介している。最近は小説が高く評価されているようだ。ちょっと外したような姿勢が興味深い。YKGのショーウィンドウに展示された小林の少女を描いたイラストに典型的なようにヘタウマの印象が強い。
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小林エリカ展「Yの一生 The life of Y―ひとりの少女」
2025年4月12日(土)-5月31日(土)
11:00 - 19:00 日・月・祝 定休
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YKG(Yutaka Kikutake Gallery)
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
電話03-6447-0500
https://www.yutakakikutakegallery.com/