東京墨田区京島のギャラリーTOWEDで佐藤絵莉香個展が開かれている(9月27日まで)。佐藤は1996年神奈川県川崎市生まれ、2020年に武蔵野美術大学造形学部油絵専攻を卒業し、現在同大学大学院造形研究科修士課程油絵コース1年在籍中。今回が初個展となる。
最近のTOWEDで扱う若い作家たちを見てくると、絵画の傾向が変わってきていると思う。具象だが従来の具象と違ってきている。13年前にマルレーネ・デュマスが日本に紹介され、その前からルシアン・フロイドが人気を博していて、日本でもヌルっとしたような人物画が描かれてきた。加藤泉も似たような傾向を示しているが、加藤は独自にそれを身に着けていたと思う。野見山暁治氏に倣っていえば、お互いに知らないで並行して似た傾向の作品を作るのは、二人のものの見方が似ているからだろう。
佐藤絵莉香の作品はそんなわけで従来の具象とは異なっている。しかし、若い作家たちに同じような傾向が見られるのも事実だ。それが新しい潮流をなしているのではないか。そして佐藤はその潮流の中で優れた仕事を見せてくれているように思う。
まだ多くの作家たちを見ている訳ではないので、断言できるまでいかないが、新しい潮流が生まれているのではないか。
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佐藤絵莉香展「えのぐぬりとサテライト」
2020年9月11日(金)-9月27日(日)
13:00-20:00(金・土・日・祝日のみオープン)
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ギャラリーTOWED(トウド)
東京都墨田区京島2-24-8
https://gallery-towed.com/work
※原公園横の信号のある交差点から10メートルほどの右手路面