ギャラリー檜Bの飯沼知寿子展を見る

 東京京橋のギャラリー檜Bで飯沼知寿子展「Noise」が開かれている(9月3日まで)。飯沼は1984年神奈川県生まれ、2010年に東京造形大学大学院造形研究科を修了している。2010年にトキ・アートスペースで初個展、その後もトキ・アートスペースやギャラリー檜などで個展を開いて来た。今回「Chatterbox III-変化を伴い持続する4人―」というギャラリー檜のB、C、e、Fの4つの画廊で同時開催の個展を主宰し、その一人として発表している。



 作品は筆触を重ねたオールオーバーな抽象表現主義風だが、よく見るとその中に線描で何か具象的な形態が描かれている。飯沼に訊くと洗面所を描いているという。抽象的な画面も魅力的だったが、そこに具象的な図像を重ねているのも面白かった。

 ほかにドローイングも展示していて、これも魅力的だったが、ドローイングの中に言葉が書かれている。言葉はそれ自体強力なメッセージを発するので、せいぜい記号的な文字のみくらいに留めた方がよくはなかったか。ドローイング自体が魅力的なのだから。

 「Chatterbox III-変化を伴い持続する4人―」と題するパンフレットも発行していて、会場でもらうことができる。女性作家4人が主にジェンダーフェミニズムについて語っていて、なかなか読みこたえがあった。

     ・

飯沼知寿子展「Noise」

2022年8月29日(月)―9月3日(土)

11:30-19:00(最終日17:00まで)

     ・

ギャラリー檜B

東京都中央区京橋3-9-9 ウィンド京橋ビル2F

電話03-6228-6361

http://hinoki.main.jp