山本弘の作品解説(93)「面」

 

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 山本弘「面」、油彩、サムホール(SM)(22.8cm×15.8cm)
 1964年10月制作。山本弘34歳。中期の作品になる。ちょうど東京オリンピックが開催されていた頃だ。山本は当時すでに脳血栓の後遺症で手足が不自由になっていたのではないか。
 小さな画面に般若の面を描いている。般若の怖さがよく表れている。このころの作品はほとんど山本の手元から離れていて、私は少ししかみ見たとがない。多く画集などで見ただけだ。まだ具象的な表現だったのでそこそこ売れたりあげたりしたのではなかったか。特に風景画は見事な出来栄えのものが多い。愛子さんと結婚したのもこの頃だったと思う。