画廊香月の高島進+高木健多二人展を見る

 東京銀座の画廊香月で高島進+高木健多二人展が開かれている(11月17日まで)。高島は1959年兵庫県生まれ、1982年に武蔵野美術大学建築学科を卒業したあと、1984年に武蔵野美術学園油絵科を卒業している。その後メキシコのアジェンデ美術学校に1年間留学した。
 高島はきわめてユニークな技法で作品を制作している。色鉛筆や金筆、銀筆、銅筆、真鍮筆を使った作品を作っている。特に金属を尖らせて描いた作品が美しい。

サンドペーパーで削って尖らせた直径2?の真鍮線、金線、銀線、真鍮線を、ホルダーに入れて筆記具とした筆。これで描かれた線は、最初が一番細く、徐々に太くなります。
真鍮で描かれた線は、錆びて緑青が生える可能性があり、金(20K)で描かれた線は、徐々に錆びて赤くなり、強く鮮明になります。銀で描かれた線は、徐々に錆びて茶色くなり、強く鮮明になります。
硬い金属で描かれた線は、太くなると力が入り、紙を掘って溝を作ります。









 筆の場合、インクは途中で継ぎ足さないので色がだんだん薄くなる。色鉛筆では細く削っておいた芯がだんだん太くなるので色が濃くなっていく。
 高島はこれらの技法をアメリカの現代音楽の作曲家スティーブ・ライヒジョン・ケージの方法から発想したという。ライヒミニマル・ミュージック、ケージは偶然性の音楽を作っている。
 高島の作品は個展を開くごとに完成度が高まっている。今回の金属筆の作品は硬質で繊細でミニマルでありながらとても美しい。

 二人展のもう一人は喬木健多、磁器で豆腐のような形を作っている。事実本物の豆腐かと思って水桶の中の作品に触ったら硬くて驚いた。
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高島進+高木健多二人展「月とtofuと迷宮歩行」
2018年11月2日(金)−11月17日(土)日・水休廊
13:00−18:30
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画廊香月
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル605号室
電話03-5579-9617
http://www.g-kazuki.com