hinoギャラリーの多和圭三 多摩美術大学退職記念展を見る

 東京八丁堀のhinoギャラリーで多和圭三 多摩美術大学退職記念展が開かれている(2月15日まで)。多和は1952年愛媛県生まれ、1978年日本大学芸術学部美術学科彫刻専攻卒業、1980年日本大学芸術学部芸術研究所修了、2009年多摩美術大学彫刻科教授就任、そしてこの3月で多摩美術大学を退職することになった。
 手前の部屋に旧作が、奥の部屋に3点の新作が展示されている。新作から見る。いずれも今まで制作した鉄の作品の端材を溶接して使っている。一番大きい茶色く錆びているような角型の作品は800~900kgあるという。それより小さいラグビーボールを半分に切ったような形の作品が2点。いずれも底は磨いて鏡面仕上げになっているという。地面際を覗くとわずかにアールを描いていて、鏡面の端が覗いている。

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 旧作では鉄の作品とともに大谷石の作品が展示されていた。多和の作品は寡黙でありながら芯に強い主張が秘められている印象がある。どこか虐げられた民族が不屈の思いを秘めているような。つまり多和の作品は一見ミニマルに見えてミニマルではないのだ。

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 寡黙な印象を持った魅力的な作品だ。
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多和圭三 多摩美術大学退職記念展
2020年1月20日(月)―2月15日(土)
11:00-19:00(日曜・祝日休廊)
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ヒノギャラリー
東京都中央区入船2-4-3 マスダビル1階
電話03-3537-1151
http://www.hinogallery.com
JR線・地下鉄日比谷線「八丁堀」駅A2番出口より徒歩5分
地下鉄有楽町線新富町」駅7番出口より徒歩5分