ガルリSOLの菅野美榮展「−どこかとおくに―」を見る

 東京銀座のガルリSOLで菅野美榮展「−どこかとおくに―」が開かれている(10月20日まで)。菅野は群馬県出身、1968年共立女子短期大学を卒業したのち、1971年日本デザインスクールを卒業している。1990年、銀座のギャラリー・オカベで初個展。その後、ギャラリートモスやギャラリーテムズ、ギャラリー椿、K'sギャラリー等々で多くの個展をしてきた。近年はタンポポの綿毛を無数に使ったインスタレーションなどを発表している。
 画廊へ入ると何かぼんやりしたものが中空に浮いている。それは何百というタンポポの綿毛だった。天井から白い糸が垂れ下がりそこにタンポポの綿毛が結び付けられている。柔らかい光に照らされて床にその影が落ちている。エアコンの弱い風が当たり全体がゆるやかに動いている。






 せわしなく刺々しい日常とは真反対の甘やかな夢のような世界の印象だ。たった1週間だけ出現した桃源郷のホログラム。
 菅野はキク科植物の種の綿毛を使ったインスタレーションを繰り返している。回を重ねるにつれて完成度が高まっている。今回特に画廊空間と調和して優れた展示になっている。
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菅野美榮展−どこかとおくに―
2018年10月15日(月)−10月20日(土)
11:00−19:00(最終日17:00まで)
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ガルリSOL
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F
電話03-6228-6050
http://www005.upp.so-net.ne.jp/SOL/