みゆき画廊の酒匂譲個展は見逃せない

 東京銀座のみゆき画廊で酒匂譲個展が開かれている(2月14日まで)。酒匂は1930年鹿児島県生まれ、1953年に東京藝術大学油絵科を卒業し、1955年に同専攻科を終了している。はじめサヱグサ画廊で個展を開いた後、パリで個展をし、1976年からはこのみゆき画廊で毎年個展を開いていて、今年でもう40回目になる。長く東京家政大学で美術を教え、現在その名誉教授となっている。
 公募展に関わることなく個展を続けてきた。栄誉とは無関係できたけれど、美術の世界における無冠の帝王とも言いうる本当に優れた画家の一人だ。酒匂は似ている作品を創らない。多くの大家たちが陥る自己模倣を決してしない。多彩な作品を作り続けている。そして何よりも色彩が美しい。色彩の美しさでは日本でも有数の画家だろう。





 今回はすべて水彩の小品だが、見事な仕事だ。こんな作品をすらすら描いてしまうのだから、たいていの画家は厭になってしまうだろう。努力ともっとも縁のない画家ではないだろうか。
 ぜひ多くの人が足を運んで酒匂芸術を見てほしい。
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酒匂譲個展
2015年2月9日(月)−2月14日(土)
11:00−19:00(最終日17:30まで)
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みゆき画廊
東京都中央区銀座6-4-4 銀座第二東芝ビル2階
電話03-3571-1771
http://miyuki-gallery.com/