東京京橋のギャラリイKで「1985−90年の作品による・内海信彦展」が開かれている(2月14日まで)。内海は1953年、東京都出身。1974年慶応義塾大学法学部政治学科中退、1975年美学校中村宏油彩画工房修了、1981年多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。ペルー国立美術学校名誉教授、早稲田大学「内海先生のドロップアウト塾」主宰。
今回はタイトルにもあるように25〜30年前の作品を展示している。内海のテキストによると、出版社の編集者になるが、過労でダウンする。そして、
(……)再び制作を始めた時に吉田克朗さんに出会いました。
吉田克朗さんとの出会いがなければ到底作家などになることはなかったと思います。吉田さんに作品を見ていただくのが至上の励みになって、始めはカードサイズのサンプル画を数千点描き、そこから紙に墨で描くInkflow paintingの制作を10年近く続けるきっかけとなりました。その後、吉田さんに見ていただく度に倍の大きさにしていたら、18m50cmの作品が出来ていました。
今回の個展は1988年原美術館でのハラアニュアル当時の作品を出品します。吉田克朗さんへのオマージュとして作品を選びました。(……)
作品を見て驚いた。抽象的な画面が並んでいる。一見抽象表現主義を思わせるが、同時に中国の水墨画のようでもある。山岳などの風景が見えるようだが、近づいてみれば抽象的な筆触があるばかりだ。不思議な作品だ。画面はきわめて充実しており、作品の完成度が高い。これらは公立美術館の常設展に並んでいるレベルだ。この個展の会期は1週間しかない。どこかの美術館が回顧展を企画するべきではないだろうか。
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「1985−90年の作品による・内海信彦展」
2015年2月9日(月)〜2月14日(土)
11:30〜19:00(土曜日〜17:00)
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ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4階
電話03-3563-4578
http://homepage3.nifty.com/galleryk