ギャラリイKのキム・ハギル展を見る

 東京京橋のギャラリイKでキム・ハギル(金学一)展が開かれている(5月25日まで)。キム・ハギルは韓国出身、50代で、韓国を始め東京、大阪、名古屋などで個展を33回行っている。

 ギャラリーの案内より、

キム・ハギルは、韓国の昌原に拠点をおいて活動する作家で、現代美術作家グループ「無」のメンバーです。韓紙と墨という東洋の伝統的な物に対する感性と、西欧美術が発展させた抽象表現の感覚を、自らの精神的な流れの中で結合させ、独自の造形語彙を構築しています。他の多くの「韓国画」の作家と同様に水墨画の伝統に連なる写実的リアリズムから出発したキム・ハギル氏ですが、やがて自らの表現を「物」と「行為」という二つの次元に還元しつつ、抽象絵画としての再構築に向かいます。すなわち自らを育てた文化、風土、生活に深く根ざした韓紙という物質を、単に支持体として扱うのではなく、自ら漉くという行為によって複雑で多様な空間と精神性を宿す存在へと造形します。加えて、墨や顔料を韓紙の裏面から着彩する伝統的な技法を活かしつつ新しい表現効果へと変容させました。そのような様々な実験的過程を経て、平面でありながら立体、陰と陽、意思と自然、感性と理性といった対照的価値が重なり合う精緻な造形作品を創り出しているのです。


 日本の和紙に相当する手漉きの韓紙を使っている。その厚みのある支持体に穴を開け、平面でありながら厚みを見せて、それで物質感を出している。韓国特有のミニマルアートの伝統を継承しながら、そこに韓紙という有機的な表情を提示し、墨と彩色された紙とを加えて独特の造形を示している。

 残念ながら、写真には再現しづらい作品なので、ぜひ画廊へ足を運んで実物を確認してほしい。

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キム・ハギル展

2024年5月20日(月)―5月25日(土)

11:30-18:30(最終日17:00まで)

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ギャラリイK

東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F

電話03-3563-4578

http://galleryk.la.coocan.jp/