東京京橋のギャラリイKで内海信彦展「ウクライナの犠牲者のためのレクイエムとウクライナの友への連帯のための New Innerscape Series 2022」が開かれている(11月5日まで)。内海は1953年生まれ、東京都出身。1974年慶應義塾大学法学部政治学科中退。1975年美学校中村宏油彩画工房修了。1981年多摩美術大学絵画科油画専攻コース卒業。個展は100回を超えている。
「ウクライナの犠牲者のためのレクイエム」と題された今回のインスタレーションは極めて優れた展示で見る者を圧倒するだろう。9枚のパネルの上には枯れた植物の破片が敷き詰められ、やはり枯れたヒマワリが投げ出されたように置かれている。トウモロコシの粒や小さな穀粒も見られる。同じようなパネルが壁面に7枚並べられている。
ロシアの爆撃により廃墟と化した街を彷彿とさせる。ナチスの暴虐を描いたキーファーに通じる表現だ。優れた造形がそのまま社会的批判を表わすと言う見事なインスタレーションだ。内海の代表作と言えるのではないだろうか。
ただ、画廊の方と話したが、このような植物を使った作品は美術館には入りにくいという。この作品はぜひ美術館で収蔵してほしい。そのためにはどうしたら良いのだろうか。
・
内海信彦展「ウクライナの犠牲者のためのレクイエムとウクライナの友への連帯のための New Innerscape Series 2022」
2022年10月24日(月)―11月5日(土)
11:30-18:30(土曜日17:00まで)日曜休廊
・
ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
電話03-3563-4578