ギャラリイKの戸張花と巷房2の柴崎和也展を見る

 東京京橋のギャラリイKで「磨。溶。繋。」が、同じく銀座の巷房2で柴崎和也展が開かれている(どちらも11月16日まで)。
 「磨。溶。繋。」は伊東杏吏、戸張花、村上直樹が鉄の立体を展示しているが、ここでは戸張を取り上げる。戸張花は1993年東京都出身、2016年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業し、2018年に同大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。2017年にギャラリイKで初個展。戸張は細い鉄棒を少しずつ溶かして溶接し成形している。それで表面がごつごつしている。

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 こちらは溶接して細い鉄棒を作りそれを組み立てて溶接したもの。上記の作品より前に採用していた手法だが、今回新しく制作したものだという。造形的にはきれいな作品に仕上がっている。

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 壁に掛けられていたぶっきらぼうな作品は、溶接の折りに垂れた鉄を再度溶接して作品化したものらしい。3種類の作品のなかで最もミニマルで、他の作品との比較で面白かった。

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 巷房2の柴崎和也は1982年、大阪府出身、2012年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。2010年にギャラリー檜B・Cで初個展。その後ガレリア・グラフィカbisやギャラリー檜グループなどで個展を開いている。やはり鉄を溶接して作品を作っている。作品はしばしば穴=口があって空洞で、壺のようなイメージがあるが、壺のような実用性は全くなく、ユーモラスな形でごろんと転がっている。これで重量は70kgあるということだった。

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 二人に共通するのは多摩美術大学で多和圭三の教えを受けていることだ。製法が似ているのはそのためだろう。
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「磨。溶。繋。」
2019年11月11日(月)
11:30-19:00(最終日17:00まで)
ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
電話03-3563-4578
http://galleryk.la.coocan.jp/
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柴崎和也展
2019年11月11日(月)-11月16日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)
巷房2
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビルB1F
電話03-3567-8727
http://gallerykobo.web.fc2.com/