東京銀座6丁目のみゆき画廊で開かれている淀井彩子展−地図・ネガの手−がすばらしい(3月2日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。一昨年まで青山学院女子短期大学芸術学科教授を勤めていた。1971年にみゆき画廊で初個展、昨年には横須賀美術館で個展を開いている。
私は主にみゆき画廊で淀井の個展を10回以上見てきた。優れたベテラン画家という認識を持ってはいたが、今回画廊へ一歩足を踏み入れて驚いた。みゆき画廊の四方の壁に大きな5点の作品が並べられている。それが見事な空間を形作っている。これは淀井の大きな達成ではないだろうか。
今までの原色が姿を消し、わずかな色彩が使われているのみだ。白っぽい地に引かれた太い線は、絵具を塗らないキャンバスの生地そのままのようだ。(作品の大きさはいずれも162×194mm)
これらの作品のすばらしさは、写真やDMハガキでは伝わらないだろう。ぜひ現物を見る必要がある。私には、これらの作品がすばらしい作品であること、淀井の達成したすぐれた境地であることは分かるのだが、なぜこれが優れているのか言葉で表現することができない。ただ見て圧倒されて感嘆するばかりだ。
多くの人にこの個展を体験してほしい。
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淀井彩子展−地図・ネガの手−
2013年2月18日(月)−3月2日(土)
11:00−19:00(最終日−17:30、日曜休廊)
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11:00−19:00(最終日17:30まで)
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みゆき画廊
東京都中央区銀座6-4-4 銀座第二東芝ビル2階
電話03-3571-1771
http://miyuki-gallery.com/